2006.6.15(広島市安芸区民センター)
財団法人地域創造が、全国の公共文化施設の発展に向けた活性化計画に対して、平成16年度より事業助成を始めました。 KAVCのご近所仲間である神戸文化ホールは、今年度(H18年度)より、その助成を取得し、4月に地域の関係者を集めた活性化計画策定委員会を立ち上げ、月に一度の割合で具体的な活性化プログラムの考案に向けてミーティングを重ねています。 APFメンバーであるオカノも、僭越ながら委員会に参加し、KAVCでの経験をもとに、劇場の特性と使命という観点から積極的に意見を述べさせていただいております。 この度、策定委員会の先例視察として広島市の安芸区民センターを訪問してきました。 まず、広島市内には市民ホール(アステールプラザ)と七つの区民センターがあり、今回の活性化計画では全ての施設がその対象となり、各施設が連携を図りながら市内全体で活性化に取り組んでいこうとしているところが画期的でした。ただ、現実は、施設ごとの個性もあり、安芸、南、安佐北の三つの区民センターが中心になっているとのことでしたが。 安芸区民センターは、550人収容のホールと、稽古場、美術工芸室、和室などが備え付けられた比較的新しい文化施設で、広島市内からは電車で15分ほどの位置にあります。スタッフによれば、運営予算が削られていく中、広島市内でも大型の買い取り公演などは少なくなり、また、近年のアンケート調査によると市民の志向が、鑑賞型よりも参加型に向いていることから、体験型のワークショップや地元のクラシック音楽関係者のネットワークを活かした無料公演などを積極的に行うことで、市民にとって芸術文化が身近に存在することを伝え、市民の意識とパワーを高めながら芸術文化を盛り立てていこうとされているとのことでした。 その土地独自の特性があり、広島の事例をそのまま神戸に採用することはできませんが、やる気のあるスタッフが、常に問題意識を持ちながら一生懸命仕事に取り組んでいることこそが、健全で誠実な施設運営の基本であり、そのことが活性化につながるのだと、改めて強く認識しました。 文化ホール活性化の今後の進展を見守りつつ、当然KAVCの将来へも思いを馳せる有意義な視察となりました。【オカノ】
by kavc_apf
| 2006-06-16 17:30
| 施設
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